夏空、不達便

Words, Undelivered


Novel / Fragment

この音楽を聞いてくれる誰にも
この感情は届かないものであれと、そう思った。

小樽、とあるジャズ喫茶の2階。実家の自室の引き出しに仕舞った、楽曲制作時のメモより


Lyrics
夏空、君のかお 届かないあの日の風景 そんな言い足りないことも、言う前に忘れてくのに きっと、こんな言葉じゃ届かない きっと、折り重なった情動は 哀しいなんて単語じゃ 足りないばっかりで たぶん、「口に出したらいい」なんて たぶん、そう言いたくても言えなくて そんなことばかり描いて 澱んでく、この胸の奥 忘れたなら 楽になれたのに なんでか、紙に描いた言葉が積もるだけ 届かなくてもいいよ この胸の情動も きみの居ない夏空も 判るわけ無いから それでもこの口は うごいてしまうから 輪郭もほどけた 伝わらない言葉を 吐いてる きっと、えがいた言葉じゃ足りなくて たぶん、どんな言葉も偽物で 綺麗事も、醜さも どれもしっくりこないまま くちに出した言葉を 不鮮明な輪郭を 想いと裏腹な 戯れ言だとしても それでもこの歌を 描いてしまったから 届けたくなくても 欠けた含意だらけでも 歌った 夏空、君のかお 忘れてくあの日の風景 きっと届かなくたって、ただ言葉だけ描いてる