日に日に -2026 rework-

Noticing love in yourself
  • Vocal :  花隈千冬&宮舞モカ
  • Photo :  下賀茂神社近傍の通り沿い


Novel


 大学のとき、インカレでバンドをやっていた、ひとつ下の後輩が初音ミクのことが好きだった。
 海外育ちだったゆえに周囲に馴染めずにいた高校のころに、とある楽曲がいたく胸に刺さり、ずっとずっと、心の支えとしていたらしい。
 三回生の夏、彼女から、ひとつ曲を書いてほしいと頼まれた。その楽器のアニバーサリーソングを作りたいらしい。当然のように、彼女は、それを自身のノートパソコンにインストールしていたが、なにぶん作詞のセンスがないから……と、そう言っていた。
 当時は、いまほどその楽器について詳しいわけじゃなかったのだけれど、彼女のその語り口から想像を膨らませて、彼女のパソコンの初音ミクを歌わせて、この曲を書いた。

 彼女とは、いちど疎遠になって久しかったのだけど、先日、なにの縁か、行きつけの喫茶店にて再会をすることになった。今でも音楽を、──うたと、DJ を、しているらしい。
 何度か連絡を取る中で、この曲の話が出て、こんどはもう少し音を整えて曲を出してなおそうと、そうなった。あのミクの音源を、今でも持っていたらしい。
 そんなわけで、ふたりでデュエットを録音して、あの時のミクをオク上に置いて、一曲を作った。
これは、そんな一曲。

花隈千冬


Lyrics
ねぇ、音で写す そんなさ君の風景 描いたものが重なって 今を紡いでく ねえ、君が描く そんなさ詩を歌い、 紡いだ想いに気付いてく そんな、ときの中で 日に日に君に染まってく そんなさ 時が楽しいんだ だってさ、それは 君と過ごした軌跡になるから 日に日に時が過ぎてって 君との記憶も増えてって 描いた色が、感情が あたしに、染まっていくんだ ああ、雪が舞って いつしか花も散って なんでもない夏の日々が そっと過ぎさっていく ねえ、そんな八月を あたしは知らないけれど 君はね、見慣れた顔で言う 「おめでとう」って そんな声に そんな君に 撰んだ言葉に そう、思えた ── 日に日に過ぎるときの中、 君がさ、変わっていくなら そんな君の姿も この目で追いたいんだ この声で負いたいんだ 日に日に君に染まってく そんなさ自分が好きなんだ だってさ、それは君が 択んだ好きなことだから 君が、好きと気付いたんだ