歌手 双葉湊音。
高校のときに同級生だった彼女は、あたしの所属していた軽音部でベースをしていて、それが彼女の音楽のはじまりだった。
あの頃も、今と変わらず『青春』と呼びたくなることが好きで、けど今よりもずっと不器用で、自分のことを伝えることが下手だった。そんな、姿をしていた気がする。
これは、そんなあたしの同級生が、ベースをはじめるまでの話。
夜琴託 小説第二作。
前作「書けない思いを声に預けて」にて、劇中エピソードとして描いた`成人して社会人ボカロPをはじめる花隈千冬が、高校生だったころの、同級生の双葉湊音がベースを始めるまでのはなし`を膨らませて書いた小説です。