久しぶりに小樽に帰ったので、ふと思い立って、朝里駅で降りてみた。
秋が冬に変わる前の空気が頬を刺す。手提げから、カメラを取り出す。
季節も、叔父が遺作の舞台にした頃を過ぎていた。
歌えなかった自分の曲を、いつの間にか歌えるようになっていた。
それなのに、存外、胸は痛むものなのだなと、そう思った。
描いた音楽は、どこまでこの心境を模写できただろうと、自問する。
カメラを構える。
未だ書き足りないことばかりで、もう少しだけそれを形にしたくて、あたしはシャッターを切った。
花隈千冬
夜琴託1stアルバム『遺書と追奏』の、花隈千冬ボーカル版。
小説『書けない思いを声に預けて』でも描いている「ミク歌唱のアルバムを花隈千冬が書いた」というストーリーに基づき、花隈千冬に歌い直してもらいました。いわば、一種の「セルフカバー版」とも言える一枚。
Another Vocalというよりも、セルフカバーを花隈千冬に代わりにしてもらったCDとして、お楽しみいただけると幸いです。
小説版は、BOOTHにて通販を行っております。
あなたの書いた物語を、
いまでもまだ、
読みたいと思っている。